研究内容
PL1 バイオ・高分子ビッグデータ駆動による 地球に優しい循環型高分子材料の創出
本研究では、バイオ高分子のビッグデータの多変量解析から、目的の物性に寄与するモチーフを抽出し、機械学習を利用し、目的の物性に最適化した配列、化学構造を設計します。これを分子動力学MDシミュレーションにより、高次構造予測を行い、材料の可能性が低い配列を取り除き、最適な化学構造を決定し、合成、測定を行うことで、目的の物性を示すサーキュラー高分子材料の創出を目指します。化学構造や測定データは、データベースに蓄積し、さらに拡張することで、MIの精度向上を推進します。
PL2 バイオ・高分子ビッグデータ駆動による人に優しいQOLバイオマテリアルの創出
現在の問題点として、ポリエチレングリコールPEGのように、長期間多量に利用されてきた材料に対して、アナフィラキシーのような重度の過敏症の可能性や、再生医療の鍵材料が安定化しない点、副作用の少ない薬物送達技術における材料の選択肢の少なさ、などがあげられます。我々は、これらの問題を解決する、バイオアダプティブ材料を計画的に創出します。具体的には、生体内で過剰反応を示さない安心安全なバイオアダプティブ材料、細胞の生着と増殖を制御できるバイオアダプティブ材料、をMI駆動で開発します。
PL3 バイオ・高分子ビッグデータ駆動による完全炭素循環を実現するバイオミメティック材料の創出
MI駆動で高性能なCO2分離膜を創出することを目標とし、現存するバイオ・高分子・MOFのデータベースにCO2の分離に必要なCO2親和性、含水性、イオン伝導度等に関する情報を加え、拡張されたデータベースを用いて、データサイエンスの手法により高いCO2分離性能を有するバイオ・高分子・MOF材料を設計します。設計された材料を実際に合成し、性能評価を行うことで高いCO2分離性能と耐久性/自己修復性を有するCO2分離膜を実現し、さらに、産官学が連携し、実ガスを用いた評価試験を行い、MI駆動によるCO2分離材料の開発基盤を完成させます。